
昨年来、相続税に関する制度の見直しが新聞・雑誌等で取り沙汰されています。ここでは2022年6月に国税庁が発表した資料(※)から、相続税対策として活用される贈与税の暦年課税による申告状況をみていきます。

資料から直近5年分の暦年課税(1年間に贈与を受けた財産の価額の合計額(課税価格)から基礎控除額(110万円)を控除した残額(基礎控除後の課税価格)について、贈与者と受贈者との続柄及び受贈者の年齢に応じて贈与税額を計算するもの)の申告状況をまとめると、下表のとおりです。

2021年分の申告人員は48.8万人で、前年比9.4%の増加です。直近5年間では最も多い人数で、2010年以降でみても、特例税率による贈与が始まった2015年分の48.9万人に次ぐ人数です。申告納税額有は38.5万人、申告納税額無が10.3万人で、いずれも直近5年間で最多となりました。
2021年分の申告納税額がある割合は78.9%で、この割合は大きな変化はみられませんでした。

2021年分の申告納税額は2,840億円で、前年比30.5%の増加です。1人当たり申告納税額は73.8万円で、2018年分以来の70万円台となりました。いずれも直近5年間では最高額となっています。
報道等の影響があるのか、2021年分の暦年課税による申告人員や申告納税額は増加しています。暦年課税を実行するにあたっては注意点等がございますので、詳しくお知りになりたい方は、ぜひ当事務所までご相談ください。
(※)国税庁「令和3年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」
2022年(令和4年)6月に発表された資料です。申告人員は2019年分以降が翌年4月末まで、それ以前の年は翌年3月末日までに提出された申告書の計数です。
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