
世の中には、80歳以上になっても優れた記憶力をもつ“スーパーエイジャー”と呼ばれる方々がいます。うらやましい限りですが、いったいどんな思考で、どんな生活をしているのか、ご紹介します。

スーパーエイジャーは、80歳以上でありながら実年齢よりも20歳以上も若い脳や記憶力を保っている人をいうことが多いようです。一般的に、人は高齢になるにつれて脳が衰えて萎縮していくものですが、スーパーエイジャーは脳萎縮のスピードがゆるやかなことがわかっています。また、死後に提供されたスーパーエイジャーの脳を調べると、認知症の原因物質のひとつである「タウたんぱく質」が一般の方に比べ、3分の1程しか蓄積されていなかったことがわかりました。

アメリカのノースウェスタン大学では、スーパーエイジャーの研究が10年以上前から進んでいます。研究の対象者は、認知テストをクリアした80歳以上で50〜60代の健康な人と同レベル、またはそれ以上の認知能力があると判断された人になります。認知テストをクリアしたのは、応募者のうちわずか10%でした。それだけスーパーエイジャーは、類まれな才能にあふれた人達といえます。この研究は認知症の解明にも役立つと期待されています。

スーパーエイジャーになれるかどうかは、遺伝による要因が大きいとされています。一方で、コロンビア大学の研究によると、加齢によるネガティブなイメージをもたないことで、精神面や脳の働きなどを若々しく保てることがわかりました。「もう若くないから……」という考えを捨てることは、心身へ良い影響を与えます。
その他、今すぐ見習いたいスーパーエイジャーの共通点についてまとめました。
- 前向きで活動的な日々を過ごす
スーパーエイジャーは前向きな人が多く、いろいろなことに対して積極的に活動することがわかっています。好奇心があり、新しい分野を学ぶことを楽しめる傾向があります。 - いくつかのコミュニティーに属している
趣味や学びの場、地域のつながり、ボランティア活動など、いくつかのコミュニティーに属して人と関わっていることが多いのが、スーパーエイジャーの特徴です。 - 健康な暮らしにこだわっている
スーパーエイジャーは、食や運動、睡眠など健康的な暮らしを実践しています。内臓の若さを保っている人が多く、見た目も若々しく見えるのが特徴です。
新しいことに挑戦したり、いろいろな人と交流したりすることは、喜びと同時に心身にある程度のストレスをかけます。変化がなくストレスもない生活は、一見おだやかですが、脳への刺激が少なく、衰えを招きやすくなります。ほどよいストレスや刺激のある毎日は、脳を活性化し、若々しく保ってくれます。
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